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2011年3月19日
風評被害
日本での震災から約1週間が経過した。
巨大地震、巨大津波、原発崩壊・・・地震発生時には、まさかこんにな事になるとは夢にも思っていなかった。
被災された方々にはお見舞い申し上げます。
さて、今回の原発の事故はアメリカでも大騒ぎである。
この影響で、日本全体が風評被害に巻き込まれそうな気配を感じる。
原発事故の風評被害と聞くと、普通は農作物などが「放射能汚染か?!」と、あらぬ噂を立てられ全く売れなくなるという事態を想像する。
しかし、いま世界で起こっていることは、日本の製造品が放射能汚染されているのではないか?という嫌疑である。
日本からしてみれば、「はぁ?情報薄弱者の妄想か?」と思ってしまうが、アメリカで製品を輸入する会社のトップまでが「工場に放射能の影響は無いのか?」「全製品をガイガーカウンターで放射線を計測しろ」と騒ぎだす始末である。これは身をもって聞いたアメリカ人の生の声である。
冷静に工場の位置などを考えれば、放射線、または放射性物質の影響を受ける訳がないのだが、何かが今回の原発事故を過剰に煽っているようである。
以下は、アメリカに住む知人からの報告を抜粋したもの。
興味深い現象が見てとれる。
-------- 以下引用 --------
震災の情報を求めてテレビを見ているのですが、気になったことがあるので話をします。
我が家ではJapanTVというケーブルテレビの日本語放送を契約して見ているのですが、普段は日本のNHKや民放の番組を組み直して放送してるのですが、震災直後からNHKの放送をそのままライブで放送しています。主にこのNHKが情報源です。それに加えてCNNやBBCの放送を見ています。
見ていて気づいたことはNHK、CNN、BBCの雰囲気の違いです。NHK、BBCは落ち着いた口調で放送していますが、CNNはヒステリックな落ち着きのない感じがしました。同じ事象でもかなり違った印象を受けます。CNNの方が問題をより大きな問題として取り上げる傾向があります。
インターネット上の意見ではこの違いを見て日本の報道や政府は問題を隠していて、CNNが真実を言っているとの話も見受けられるのですが、私は違うと思っています。
アメリカのケーブル放送局はたくさんあり、ニュース専門チャンネルも主に3つあり激しい競争を行って言います。何人が見たかによって広告収入が決まるので、より多くの人に見てもらうために激しい競争をしています。
その結果どうなったか。
24時間ニュースをやっているので事実だけを淡々と伝えていたのではネタ切れになってきます。なのでアンカーと呼ばれる人間がが意見を言ったり、専門家と称する人に喋らせたりと色々とやってきます。
見ていて気づいたのはCNNは「Worst case scenario では...」とか、「xxx would ...」「xxx could...」というフレーズで埋め尽くされていると言う事です。
仮定の話がやたら多く、誇張される傾向があり、事実を述べているのか仮定の話を述べているのか曖昧に話す傾向が強く見受けられます。
センセーショナルの津波のシーンが出尽くすと、今度は福島の原発の話しかしなくなりました。そのなかで最悪ケースはどうなる、どう思うという話で不安感をやたら煽るようになってきました。
視聴者の不安を煽り、問題を誇張することでより視聴者を惹きつけようという作戦に思えてなりません。彼らはニュースをエンターテイメントあるいはショーとして扱っているように思えます。そのほうが視聴率が上がるからです。日本のマスコミも同じ傾向を持っていると思いますが、その上を行く激しさです。
マスコミが原発問題をあまりに煽るので、放射能による障害を抑える薬の安定ヨウ素剤を、消費者が買いあさったために、カリフォルニアの薬局から消え去ったそうです。
世界的に知られた海外のメディアも収益第一の企業です。彼らの思い描いたストーリにそって誇張したり、報道しなかったりを行い、事実をありのままに伝えるよりセンセーショナルにすることにより、さらに視聴者を惹きつけたいという力が働いている様に思います。彼らの言っていることを100%信じることは危険だと思う今日この頃です。
-------- 以上引用 終わり --------
それにしても、カリフォルニアで安定ヨウ素剤が消えるとは、過剰反応もいいとこ。
どこの国でも駄目なマスコミは駄目だなぁ。アメリカはもっと健全だと思っていたのに。
こういったニュースを浴び続け、今、アメリカの人達は日本全体が放射能に覆われていると思い始めている。
笑い事ではなく本当のことである。
今後、世界規模で「日本のモノは全て放射能に汚染されている」という風評が立ち、輸出産業にダメージが来ないことをただただ願うばかりである。
投稿者 abeshin : 2011年3月19日 17:27