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2003年2月25日
2003 Making of 年賀状
毎年恒例のメーキング・オブ年賀状です。
師走の声を聞くと、毎年、毎年どうしようか悩むのが年賀状。題材が羊だとさらに難しい。
今年は完全にネタ切れ。時間も無かったので、安直に2000年のドラゴンと同じパターンで行くことにした。
題材集め
いつもの如く、まずは素材となる写真を撮りまくる。
これは、今回ベースとなる居間の写真。
わざわざ窓を開け放ち、向こうにある自動車を入れる。
車の上に羊が乗っているのを想像しつつ、怒鳴る姿(中央)を撮影。
12月なので、クリスマスツリーが見えている。それにしても雑然とした部屋だなぁ。
これも同じく、自動車の屋根を指差す貴子を撮影。
風香の撮影。泰我に羊を演じてもらう。
これは羊が服に噛み付いて引っ張っているところを想像して撮影。
泰我の撮影。貴子に羊を演じてもらう。
お決まりの背中に乗っているパターンである
見てのとおり、実はこの5枚の写真は全て撮影日時が異なる。部屋の様子、明るさなどからそれが分かると思う。
最後の泰我の写真などは、寝室で撮影したため、光の加減が他と全く異なるものになってしまった。
雰囲気を合わせるための修正が後々大変そうである。
このように、素材集めでは、光の加減、色味を意識し、同じ日に一気に撮ってしまうのが鉄則だが、今回は、気に入らず何度も取り直した。
そうこうしているうちに、実際に最終的に使用したのは全てバラバラに撮影した写真となってしまったのだ。
羊のモデリング
さて、ここからが大仕事のモデリング作業である。
いつもながら多くの曲線を持つ生物のモデリングは大変な作業である。
左の写真は、ほぼベースとなる体の形が出来上がったところ。
顔や足には、テクスチャー・マッピングを施した時に、どの場所にどのピクセル・パタンが来るのかを確認するための、仮テクスチャーである。この仮テクスチャーには数字を振ってある。
さて、今回最も気を使うのは羊の毛である。写真のままでは単に綿の塊を貼り付けた感じで、柔らかさに欠ける。
今回のモデリングは、如何に「毛」を表現するかに多大な時間を費やした。
左の写真は今回の羊の完成形である。
見事に毛のフワフワ感が表現されているのが分かる。
これは手法的には「ファー・シェーディング」と呼ばれ、最近の 3D ソフトにはあらかじめファー(毛)・シェーディング機能が搭載されているものもある。しかし私が使っているソフト(3D Studio Max)では残念ながらそこまではサポートされておらず、試行錯誤で「毛」を表現することになった。
数時間費やして編み出した方法は、ランダムに凸凹をつけたものを半透明にして、それを数枚重ね合わせることである。
左の羊は、毛のベースとなるポリゴンの上に、5枚の半透明ポリゴンを重ね合わせている。
配置と合成
ここまでくると、後は素材を如何にそれらしく配置、合成するかにかかっている。
左はベースとなる羊を配置したところである。
ちなみに単にモデルを置いただけで、光の設定などはまだ滅茶苦茶の状態であることが分かる。
その後の画像。
光も部屋の状態に合わせられている。また、一番奥に私と貴子がすでに合成されている。
完成
上が今年の完成品である。
なんといっても苦労した羊の「毛」。右下の羊のフサフサ、フワフワした毛にぜひ注目していただきたい。
投稿者 abeshin : 2003年2月25日 21:06