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2007年1月17日
US日記17 ~PENTAX K10D~
かれこれ一年半前の話になるが、Canonの一眼デジカメを購入した話を書いた。
このカメラ、特に悪い・・・と云うわけではないのだが、使っているうちに色々不便な点や欠点が見えてきていた。
それと、Canon製というのも引っかかっていた。
もともとPENTAXの銀塩一眼レフ、プロ仕様の LX と完全マニュアル機 MX という、今となってはマニア垂涎の名機を所有しており、同様にPENTAXの単焦点のレンズも4本、SMC PENTAX 28mm F2.8 / 50mm F1.4 / 135mm F2.8 / 300mm F4 を所有している。
しかし幾ら名機と言えども、さすがにもう使用する機会はほとんどない。ただ、レンズをこのままお蔵入りさせるのはどうも気が引けていた。
今や標準となってしまった感のあるズームレンズは便利には便利だが、やはり単焦点レンズの明るさ、解像度、キレの良さには適わない。
余談だが、それにしても、視野率100%のこれら旧機のファインダは、最新デジカメよりずっと良く見える。マニュアル・フォーカス故なのかもしれないが。
Canon EOSを使った後に旧機のファインダを覗くと、明るさとその視野の広さに驚く。EOSファインダのなんと貧しいことか。
というわけで、前回一眼デジカメを購入する際もPENTAXが第一候補だったのだが、今ひとつ魅力的な機種がなく、しょうがなくCanonを購入したのだった。それは当時の書き込みでも迷った旨書き込まれている。
ところが!である。
ここに来てやっとPENTAXから凄い機種が開発された。
PENTAX K10Dである。
何が凄いかは、上記のリンクから辿って欲しいが、とにかくPENTAX初の中級機であり、値段の割りに機能満載である。
という訳で速攻購入・・・・・
だが在庫が無い。どうも値段と機能が好評で大量に受注が入っているらしく、日本のホームページでも品不足だと嘆きの書き込みを幾つも散見した。PENTAXのWebサイトでも、品不足のお詫びのメッセージが掲げられていた。
という訳で1ヵ月待ってようやく入手。さすがにUSでこんなもの買うと思わなかったなぁ。
マニュアルが全部英語。ただ、日本語版がPDFで用意されていたので助かった。
仕事以外であんな細かいもの読みたくない。
一日あれこれいじり回してみた(平日入手なので撮影はまだ家の中、周辺だけ)。
これが一番重要だが Canon EOS Kissで不満だった部分が全て解決されている。
ホワイトバランス
- デジタルカメラやビデオカメラにもいえることだが、CCDを利用した受光素子を使用する場合、撮影時の色温度を適切に設定してやる必要がある。
我々人間には白く見える物でも、デジタル回路としてはそれを白だと認識不可能な場合があるのだ。
例えば、白い紙を用意し、それを太陽光線の下で見ても、電球の光線下で見ても、我々人間には白い紙として認識される。これは脳が周りの状況と経験に照らし合わせ、色を勝手に補完するからである。しかしCCDのようなデジタル回路はそういう訳にはいかない。電球のように黄色っぽい明かりに照らされると、「白」ではなく「薄い黄色」と認識されてしまう。全てがそのような調子で記録されるため、一切の補正を行わないと、我々の認識する色世界と全く異なるシロモノが出来上がってしまう。
そういうわけでデジカメには必ずホワイト・バランスが設定できるようになっている。またほとんどの場合は全自動であり特に普段は意識する必要はない。
ところが、Canon EOSは今ひとつホワイト・バランスのオートが間抜けである。特に私の家の場合、蛍光灯の白い光が嫌いで、全て電球色の照明を使っており、この条件下で写真を撮ると、ほとんどといっていいほど正しいホワイトバランスで撮影されない。
というわけで、撮影のたびに設定をいじくるのだが、プリセットの設定はまずうまく行かない。微調整モードに入り、あてずっぽうで設定して撮影、駄目ならまた調整して撮影・・・・というのを繰り返す羽目になる。最後には面倒になるので、結局RAWファイルという、CCDが受けたデータをそのまま生で保存する形で撮影となる。
(JPEGになってしまってからのホワイト・バランスの微調整は、他の色で破綻をきたしやすく、画質も劣化する)
さすがにRAWファイルにしておけば、パソコンに取り込んでから細かい微調整が出来るので文句はない。しかし、このRAWファイル、やけにファイルサイズが大きくて1GBのフラッシュ・メモリを積んでいても80枚ほどしか撮影できない。さらに大量に撮影したのをパソコンで一枚ずつ変換を掛けていくのも大変な作業である。
たかだか家の中のイベントを記念撮影したいだけなのに、この後作業は本当に厄介である。
であれば、撮影時に簡単にホワイト・バランスの微調整が可能なカメラが欲しくなる。そうすればJPEG保存可能だし、撮影枚数もグンと増え、PCでいちいち補正する必要もなくなる。要は気楽に撮る写真に対しては、楽したいのである。ただし納得の行く画質で。
PENTAX K10Dはこのホワイト・バランスの機能が大変よく出来ている。一枚だけ撮影(実際にはメモリには書き込まれない)して、それを元に非常に細かい調整が可能である。背面ディスプレイで見たまま画像が調整可能で、パソコンで調整するのと同じ感覚である。次からはその設定で撮影できるようになっている。
これは小さな改善だが、私にとってはかなり楽であり喜ばしい機能である。
Canon EOSでも微調整可能なのだが、やはりここら辺の考慮が抜けてるなと思う。機能てんこ盛りなのだが、いちいち面倒なのである。だったらRAWでいいやとなってしまい、後で結局面倒な目に遭う。
手ぶれ補正機能
- やはりこの機能は必須である。Canonでもレンズ側でレンズを動かして手ブレを補正するものがあるが、高価である。レンズも限られる。
以前の子供たちの学芸会の写真もそうだが、望遠で撮影するが故かなり手ブレが多かった。ISO感度を画質が落ちないギリギリのところまで上げて、可能な限り高速シャッターとするのだが、やはりブレてしまう。
PENTAX K10Dは、手ぶれ補正機能をカメラ側に持っている。手ブレに合わせ、カメラ内部のCCDを細かく動かすらしい。この利点はやはりレンズを選ばないというところだろう。過去のレンズ資産も手ブレ補正の恩恵をあずかれるのだ。
実際On/Offの2パタンで試し撮りをしてみたが、これは良い! 普段の2~3段ほど遅いシャッタースピードが実用範囲になる。
CCD埃落とし
- Canon EOSで最近妙に気になるのがCCDに付着してしまった埃。普段の撮影では気づかなかったのだが、ある時真っ青の空を思いっきり絞り込んで撮影したところ、CCDに付着した埃が、モワッと薄い影となって写りこんでいた。頻繁にレンズ交換などを繰り返すうちに、埃が付着してしまったのだろう。
幸いそれほど普段の撮影にはインパクトが無いのでそのままにしているが、これを綺麗に取り去ろうとすると、サービスセンターに持ち込む必要がある。しかも有料。
気にしなければそれでいいのだが、やはり自動的に取り去る機能が欲しいところである。
PENTAX K10Dは前出の手ぶれ補正機能を利用して、CCDを揺らして埃を落とす機能が付いている。電源を入れるとカメラ内部からゴトンという音がして、軽い衝撃を感じる。電源を入れるたびに CCD から埃を落としているのだ。
過去のレンズ資産
- これがPENTAXを選択した一番の動機。
レンズは全て日本に置いてきているので試せないが、今度帰ったときにでも色々撮影を試してみようと思う。
という訳で、ボストンのランドスケープでも撮影しようかなと外に出たのだが・・・・。
寒い! 寒すぎる! 今週のボストンは異常に寒い。雪も降らずに晴れているので放射冷却現象がモロに効いている。色々撮りたかったが速攻撤退。
お試し撮影 Google アルバムに飛びます。
ところでCOOLPIX L6だが・・・もったいなかったかな。思ったが、正直、妻に取られた4MピクセルのCOOLPIX L4の方が画質が良かった気がする。L6は6Mピクセルだが、その分一画素あたりの光量は減るし、レンズも貧しい。
コンパクト・デジカメでは高ピクセル=高画質という訳ではないのを実感した。
投稿者 abeshin : 2007年1月17日 15:16
コメント
投稿者 泰風 : 2007年1月22日 18:35
投稿者 阿部 : 2007年1月27日 18:13
そう。我慢できなかった。
というか、昔からずっとこのメーカのカメラを使ってたから、レンズももったいなかったしね。
Canonのは売ろうか?
投稿者 鳥居 : 2007年2月 6日 23:15
オイラはK100D買ったよ。デジ一初心者なんでこのレベルでも使い切れてません。
年末年始に色々と試し撮りしたのだが、パラメータが多くてよくわからん。
まあこれからぼちぼち撮っていくぜ。レンズはシグマの18-200。これ1本で当分楽しむ
つもりです。単焦点レンズもいつかは欲しいな。
投稿者 阿部 : 2007年2月 9日 08:02
K100Dもいいカメラだよ。
K10D大人気で入手難だったので、一瞬K100Dでもいいかなと迷った。
日本に復帰する前に、色々こっちの風景でも撮ろうかなと思ってます。
こっちに居るのもあと3ヵ月半だ!
へぇ~っ買ったんだぁ!!