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2009年12月 9日

過去の栄光

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先のエントリーで、久しぶりに高校時代の先生に会ったと書いた。
その時、色々な話題が出たのだが、自分でもすっかり忘れていたことを思い出した。
上の色褪せた写真がそれなのだが、実は自分は大学~会社入社直後まで、せっせとフリーウェアを作っては発表しており、その先生も私の作ったツールを使用していたのだった。

大学時代のMS-DOSベースのツール類の作成から始まり、会社に入った当時はWindowsアプリを中心にフリーウェアを公開していた。
当時、フリーウェアはMS-DOS向けとして多種多様なものが存在していたが、Windowsアプリに関して言えば、プログラミング環境がまだ貧弱で、一般的でなかったこともあり、非常に少なかったように記憶している。

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電話帳のようにぶ厚い解説書
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2冊で2万4千円!高すぎる!

今ではVisual Basicだの、Visual C++、Visual C#で簡単にWindowsアプリが作成でき、何か分からないことがあれば、インターネットでググれば大抵解決策が見つかる。
しかし、当時はインターネットもほとんど普及していない時代。頼るのは本だけ。
Windows APIバイブルという、なんと1冊1万2千円もする本を、清水の舞台から飛び降りるつもりで上/下2冊買い、それを読みながらAPIを理解し、試行錯誤してプログラムを作成していたという時代だ。
(それにしても、こんなクソ高い本、よくぞ買ったものだ)

このWindows黎明期に開発されたフリーウェアは、競争相手がほとんど存在しなかったこともあり、今までにない目新しいものを開発すれば、すぐに雑誌などで取り上げられて紹介されたのだ。

自分も多数のWindowsアプリを開発したわけだが、そのなかでも飛び抜けて取り上げられたものがある。
今では当たり前に存在するソフトウェアであるが、「Windows上で動作する付箋ソフトウェア」を一番初めに開発したのは、誰あろうこの私だったのは意外と知られていない(知るわけないって!)。

当時、さまざまな雑誌で紹介され、その幾つかを所蔵しているのだが、いかんせん15年も前の雑誌である。黄ばんでしまったり、色褪せたりで劣化が激しい。
これを機会にスキャンして電子データ化したので、過去の栄光を辿ってみることにしよう。

DOS-V fan 1993/12月号

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一番最初に取り上げられたのはDOS-V fanという雑誌で、当然今は廃刊で存在しない。そもそも「DOS-V」という言葉自体が死語である。
この当時、私の付箋ソフトウェアは"PostIt"という名前で出していたが、この雑誌で紹介されて有名になるにつれ、この名前が問題になってきた。なぜなら"PostIt"(ポストイット)は、モロ3M社の登録商標だからだ。

ASAHIパソコン 1993/12月15日号

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次に登場したのが、ASAHIパソコンという雑誌だ。この雑誌も2006年3月15日号をもって休刊になっている。
さて、この雑誌の頃にはソフトウェアの名前が"Peta-Note"(ペタ・ノート)に変わっている。
ポストイットは駄目、ならどうしようかと悩みに悩んで付けた名前だ。気軽にペタペタと貼る小さなノート、それがペタ・ノートだ。実のところ、今でもこれはうまいネーミングだったのではないかと思っている。

ところでこの紹介記事、まるまる1ページを割いてペタ・ノートを紹介している。
しかも、あの山田祥平氏だ。なかなか感慨深いものがある。
この記事で「ちょっと不便だと思うのは・・・・」と、スクロールバーが無い欠点が指摘された。もちろんすぐに修正したのは言うまでもない。

Windows World 1994/3月号

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というわけで、上記から3ヵ月後に「机の上の三種の神器」としてペタ・ノートが紹介されている。
しかも写真の通り、ちゃんとオプション設定でスクロールバーが出るようにしてある。
これが最終形だったと思う。

この頃になると、色々な機能追加のリクエストがあちこちから来だした。
最初は真面目に対応していたのだが、段々と無責任な機能追加要求や訳の分からないクレームに嫌気が差して、遂には「もう機能アップデートはしません」と宣言して、開発を強引に終結させたのだった。

私のペタ・ノート開発の終息後、同じような付箋ソフトが大量に出てくることになった。
今思えば、もう少し頑張って開発を継続していたら、Windows付箋ソフトのデファクトになり、途中からシェアウェアとして金を取っていれば・・・・と後悔することもある。

「超」整理手帳 オフィシャル・ガイドブック 1995年12月初版発行

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さて、これまで紹介したのは雑誌だったが、最後は当時非常に有名だった「超・整理手帳」というハードカバーの本である。ソフトが収録されたフロッピーディスクも付属していた。
オンラインソフトのベスト5という凄い紹介のされ方に非常に驚いた。
当時既に開発を終わらせていたこともあり、さすがにこんな本で紹介されると、なんだか申し訳なかったという記憶がある。


実際には、もっと多くの雑誌でもペタ・ノートは紹介されていたが、今手元に残っている雑誌、本はここに載せたものだけである。また、他にも様々なソフトを開発していたので、それらも上記のように紹介され、その度に掲載紙が自分の手元に送られてきていたが、それらソフトはあまりヒットせずに終わった。
なんといっても「ペタ・ノート」が最大のヒットであり、過去の栄光でもある。

今でもWindowsソフトウェアは色々と作り続けており、また何かの機会にフリーウェアとして公開したいなと思っている。今は忙しくてそれどころではないが、今後の愉しみとしておこう。

最近作ったもの

以下は、今年作って内輪で大いに役立っているWindowsアプリ。

ftsys.jpgWMIでマシンの詳細情報を表示するツール。負荷をかけたり、擬似的にデバイスを故障に見せかけたりと、様々なテストが可能。

burner.jpgtelnet端末と、シーケンサーとtftpサーバが一つにパッケージングされた優れもの。

さて何に使うのでしょうか?!

(分かる人にはわかる超便利ツール)

ま、tftpと言えばネットワークブートですが・・・・

投稿者 abeshin : 2009年12月 9日 01:10

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